2010 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤性肺障害ウサギモデルを用いた各種薬剤の治療効果:病理組織とCT画像の対比
Project/Area Number |
22791185
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
渡邉 尚武 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (60570364)
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Keywords | 医療・福祉 / 放射線 / 病理学 |
Research Abstract |
塩酸ブレオマイシンを気管内投与した薬剤性肺障害ウサギモデルを9羽作成。コントロール群3羽、ピルフェニドン単独投与群3羽、ピルフェニドン、エダラボン、エリスロポエチンの3剤投与群3羽に分類した。ブレオマイシン注入前、直後、14日目、28日目に4列MDCTにて1mm厚で撮像。28日目撮像後、組織を摘出。肺野画像データを再構成し、肺尖部から3mm間隔で1mm厚の水平断像を描出。各断面像の正常とスリガラス影(浸潤影、スリガラス影)の面積を計測。肺野の異常陰影の経時的変化の評価を行った。摘出した肺は固定後、4μm厚の連続切片を作成しヘマトキシリン・エオジンとエラスティカ・ファンギーソンで染色。左右の前、後葉から1断面ずつスライドを選択して異常所見の有無を検定した。CT上の経時的変化では、いずれの群も14目後の異常陰影が最も広く、28日後には縮小傾向が認められた。14日後のCTでは3剤投与、単剤、コントロール群の順に異常陰影の平均値は小さくなっていったが有意差は認められなかった(3剤2960mm^<2:>、単剤:4950mm^2、コントロール:5420mm^2)。28日目のCTではコントロール群と比較して3剤投与群の方が異常陰影の面積が少ないという有意傾向が認められた(3剤1380mm^2、単剤:2510mm^2、コントロール:6590mm^2)(p=0.071)。単剤投与群と3剤投与群の間には明らかな有意差は認められなかった。病理学的には異常陰影の平均値はコントロール,単剤投与群、3剤投与群の順に大きく(コントロール:265000、単剤:117000、3剤:87100)、コントロールと単剤投与群、3剤投与群との間には有意差が認められた(P<0.05)。また単剤投与群と3剤投与群との間には有意差は認められなかった。 以上よりピルフェニドン単剤投与よりも3剤投与の方がブレオマイシン薬剤性肺障害の進行を抑える可能性があることが示唆された。
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