2010 Fiscal Year Annual Research Report
マウス腫瘍における19F MRS/MRIを用いたフッ素糖代謝研究
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22791186
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楢崎 美智子 京都大学, 情報学研究科, 特定研究員(科学技術振興) (10467459)
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Keywords | 核磁気共鳴(MRI) / MRスペクトロスコピー(MRS) / 多核種 / 糖代謝 / 担がんマウス |
Research Abstract |
担がんマウスにおけるフッ素糖の代謝物検出、画像化に向け、本年度は画像測定法の最適化を行い、in vivo測定を行った。 7T装置における19F MRI測定法としてFast Spin Echo法を用い、最適化を行った。本実験では投与薬物のみならず、その代謝物を検出するが、MRIの感度の低さおよび代謝物の生体内濃度の低さから、効率的な積算が可能なパラメータ設定が求められる。そこで生体内における緩和時間測定を行った。また化合物の状態によって緩和時間は異なるため、生体内の各組織から得られた画像強度と化合物濃度の関連付けには、緩和時間の補正を必要とする場合がある。各組織の緩和時間補正にむけ、生体内横緩和時間T2マッピングを行うためのデータを得た。これらのデータを基に最適化した画像測定法を用いて、投与薬物およびその代謝物の画像を同時に取得することに成功した。 担がんマウスにおけるフッ素糖代謝物の画像化、および摘出した各臓器の19 NMR測定によって、代謝物の分布および種類を確認し、濃度を推定した。in vivo MRS/MRIにおいて、腫瘍や心臓へのFDGの集積が描出され、またFDGからFDMへと代謝されていることが確認された。摘出組織の定量結果から、投与3時間後において腫瘍内には500μmol程度と肝臓や脳よりも高い濃度の代謝物が保持されていたことが示された。今後さらに詳細な腫瘍における代謝特性についての検討および定量的な画像測定を行う。 近年分子イメージングにおいて、生体内に背景信号のない19Fは注目されているが、本法は化学シフトの違いによって代謝物あるいは反応生成物を識別し、その生体内分布を得るNMRの特徴を生かしたフッ素化合物の画像化法として有用である。
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