2011 Fiscal Year Annual Research Report
マウス腫瘍における19F MRS/MRIを用いたフッ素糖代謝研究
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22791186
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楢崎 美智子 京都大学, 情報学研究科, 特定研究員(地域科学技術振興) (10467459)
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Keywords | 核磁気共鳴画像(MRI) / 多核種 / 代謝物画像 / 腫瘍 |
Research Abstract |
本年度はフッ素糖を用いた腫瘍の質的診断法確立にむけ、複数の測定法を用いた代謝物の画像化および、緩和時間測定を行った。昨年度最適化を行ったFast Spin Echo(FSE)に加え,Chemical Shift Imaging, Gradient Echo, Fast imaging with steady state (FISP), Ultra short TEを用い、一定時間で得られた画像のSN比を比較した。FSE,FISPにて信号は検出されたが、FSEで複数の臓器で信号が検出された場合でもFISPでは一部臓器のみとその検出能が十分ではない場合があった。積算効率の高さから、7Tにおけるフッ素糖代謝物画像化に関してはFSEが最適であることが再確認された。また今年度は昨年度計測した横緩和時澗(T2)に加え縦緩和時間(T1)に関する測定を行い、さらなる定量性確立に向けデータを得た。 フッ素糖の腫瘍における代謝の特徴を明らかにするため、フッ素糖投与3,24,48時間後に腫瘍を摘出し、水抽出試料を作成して^<19>F{^1H}NMR測定を行った。投与3時間後にはFDM群が生成されていることが確認され、48時間後には代謝物全体の保持量は顕著に減少したものの、FDM群がFDG群に比べ保持されていることを確認した。研究担当者が以前行ったマウス原発性乳腺線がんにおける同様の測定では、FDM群の生成が少ないという特徴があり、これら代謝物について他の腫瘍と比較検討することにより、腫瘍のキャラクタリゼーションに結びつけることができると考える。 抗がん剤である5-FUの1週間連続投与後、FDGを投与、画像測定および腫瘍の水抽出物の^<19>F NMR測定を行った。5-FU投与、非投与群ともに、FDMの生成および、FDG代謝物の高濃度保持が認められたが、水抽出物による詳細な代謝物の確認で、明確な差は認められなかった。腫瘍がある程度成長してから5-FU投与を開始しており、腫瘍サイズにも非投与群との明確な差が認められなかったことから、5-FUの投与開始時期および、投与量、または抗がん剤の適切な設定が必要であったと考えられる。 本年度までの成果として治療効果の評価という点については利点を示すことができなかったが、腫瘍の代謝特性を生かした画像診断法として本法が有用であることを示した。
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[Journal Article] Constitutive SIRT1 Overexpression Impairs Mitochondia and Reduces Cardiac Function in Mice2011
Author(s)
T kawashima, Y Inuzuka, J Okuda, T Kato, S Niizuma, Y Tamaki, Y Iwanaga, A Kawamoto, M Narazaki, T Matsuda, S Adachi, G Takemura, T Kita, T Kimura, T Shioi
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Journal Title
Journal of Molecular and Cellular Cardiology
Volume: 51
Pages: 511026-1036
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