2010 Fiscal Year Annual Research Report
がんの転移能診断を目的としたシグナル増幅機構を有する新規高感度分子プローブの開発
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22791189
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
天滿 敬 京都大学, 薬学研究科, 助教 (90378787)
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Keywords | がん / 分子イメージング / 転移能 / 放射性医薬品 |
Research Abstract |
本研究の目的は、抽出した膜結合型マトリクスメタロプロテアーゼ-1(membrane type 1 matrix metalloproteinase ; MT1-MMP)基質ペプチド配列を母核として、RIシグナルドメイン、細胞膜捕定ドメイン、阻害ドメインとを組み合わせることで、がんにおけるMT1-MMP活性依存的に病変局所に捕捉・濃縮される『MT1-MMP依存性捕捉型プローブ(MT1-MMP dependent anchoring probe ; MDAP)』を開発することにある。そこで本年度は、ファージディスプレイ法によるMT1-MMP基質ペプチド探索、MDAPの合成検討、インビトロ評価系の樹立、について検討を行った。 1)ファージディスプレイ法によるMT1-MMP基質ペプチド配列の抽出と評価 ランダムDNAを作製し、ファージのキャプシドタンパク質コード領域に遺伝子を挿入した。大腸菌に感染させた後、ファージライブラリの固相ビーズを用いたバイオパニングを繰り返すことにより、MT1-MMPに親和性を有するペプチドを発現することが期待されるファージの濃縮を確認した。 2)MDAPの合成検討 機能を保持する膜捕定ドメイン鎖長の検討が必要なことから、鎖長の異なるいくつかのプローブ骨格を設計し、固相・液相合成法を適宜使い分けることで合成を行った。 3)インビトロ評価系の樹立 MTI-MMPは培養条件によって発現が大きく変動する。ウエスタンブロット、フローサイトメトリーを用いた検討により、MT1-MMP発現量の異なる数種の有効な細胞種を見出した。
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