2011 Fiscal Year Annual Research Report
がんの転移能診断を目的としたシグナル増幅機構を有する新規高感度分子プローブの開発
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22791189
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
天滿 敬 京都大学, 薬学研究科, 助教 (90378787)
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Keywords | がん / 分子イメージング / 転移能 / 放射性医薬品 |
Research Abstract |
本研究の目的は、膜結合型マトリクスメタロプロテアーゼ(Membrane-type 1 matrix metalloproteinase ; MT1-MMP)基質ペプチド配列を母核として、RIシグナルドメイン、細胞膜捕定ドメイン、阻害ドメインとを組み合わせることで、がんにおけるMT1-MMP活性依存的に病変局所に捕捉・濃縮される「MT1-MMP依存的捕捉型プローブ(MT1-MMP Pdependent anchoring probe ; MDAP)」を開発することにある。本年度は、基質ペプチドの探索、MDAPの合成検討、インビトロ検討、インビボ検討を行った。 1.基質ペプチドの探索 前年までにMT1-MMP基質ペプチド配列探索を目的としてファージディスプレイ法によりMT1-MMPに親和性を有することが期待されるファージの濃縮を確認したが、ペプチド配列を同定・合成し評価したところその有効性を認めなかった。そこで、最近報告された基質ペプチドについて論文検索を行い、プローブ設計の有効性を評価するために適したペプチド配列を抽出した。 2.MDAPの合成検討 膜捕定ドメイン鎖長の異なるいくつかのプローブ骨格を設計し、固相・液相合成法を使い分けることで合成に成功した。^<111>Inを用いた標識合成にも成功した。 3.インビトロ評価 ^<111>In-MDAPの有効性を調べるため、MMPタンパク質を用いた切断アッセイを行った。その結果、タンパク質処置により^<111>In-MDAPのHPLCピークが大きく減弱し、大きな分子量を持つ本プローブにおいてもMMP認識性を損なわないことを見出した。 4.インビボ評価 ^<111>In-MDAPについて正常マウスでの体内分布実験を行った。その結果、比較的高い安定性と血中滞留性が認められ、がんへの集積性が期待される結果が示された。
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