2011 Fiscal Year Annual Research Report
未開拓な治療領域へ向けた新しい小線源治療技術の開発
Project/Area Number |
22791194
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 豊 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (40353461)
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Keywords | 小線源治療 / 腔内モールド照射 / スキルス胃がん |
Research Abstract |
本研究は、治療法が全く確立されていないスキルス胃がん等の管腔臓器の広範な浸潤性腫瘍に対し、3次元腔内モールド照射という新たな小線源治療の概念を提案し、治療法が確立されていない難治性腫瘍に対し、放射線を用いた新たな治療法の開発の基盤を作ることを目的にしている。本研究で最も重要となるのは、胃壁の形状に沿わせ、かつ、大口径に膨張が可能な、これまでに例のない独自のアプリケータを開発することであったが、皮膜の材質をシリコン製にし、かつ手作業で作成し、仕様通りのアプリケータをタイセイメディカルと共同開発ができた。本年度は、このアプリケータを用いて、フィルムあるいは3次元ゲル線量計を用い、線量測定を試みた。フィルムは特性上の問題で測定が困難であったが、3次元ゲル線量計は、任意の形状に加工したゲルに放射線を照射することにより化学反応を起こし、この変化をMRIで検知することで線量分布を測定でき、有用と考えられた。この分野で著名なミネソタ大学医学物理部門の渡邊陽一教授に指導を仰ぎ、実験を行った。具体的には、Ir-192線源を用いたスキルス胃がんの腔内モールド照射の治療計画を商用の治療計画で立案した。すなわち、胃壁から粘膜下5mmを線量評価点として一様に照射する治療計画を立てた。この治療計画を用いて、アプリケータの周囲を固めたゲルに照射した。その後、MRIを撮影し、独自ソフトにより線量分布を測定した。その結果、表面に大きなホットスポットが生じており、照射法としてはアプリケータ中心の線源ルートを用いるほうがより効率的に照射されることが示唆された。 一方で、医学部保健学科の大学院生とともにGEANT4を用いたモンテカルロシミュレーションの準備を行い、単一のIr-192線源からの線量分布の計算をできるようにし、本システムへの応用を試みた。
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Research Products
(2 results)