2011 Fiscal Year Annual Research Report
治療抵抗性肝腫瘍の化学塞栓療法における薬剤溶出性高吸水性ポリマーの開発
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22791195
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 登 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00506488)
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Keywords | 動脈塞栓術 / 化学塞栓療法 / 薬剤溶出性塞栓物質 / 高吸水性ポリマー / 転移性肝腫瘍 / 抗癌剤 / イリノテカン / CPT-11 |
Research Abstract |
治療抵抗性肝腫瘍の化学塞栓療法における標的塞栓性及び薬剤溶出性を兼備えた薬剤溶出性高吸水性ポリマー(DESAP)の開発、適正化を企図した。本年度は、イリノテカン(CPT-11)を用いてin vitroで基礎検討を行った。 高吸水性ポリマー(SAP)のCPT-11溶解液の吸収性 点滴静注用CPT-11溶解液(20mg/mL)およびそれを生食で希釈した溶解液(10mg/mL,4mg/mL)各1mLを、(薬剤吸収前)SAP10mgと配合させ、吸収率、粒径変化について検討した。CPT-11の吸収率は、吸収前後の溶液中CPT-11濃度変化をHPLCで計測し算出した。CPT-11各溶解液(20mg/mL,10mg/mL,4mg/mL)に対する、CPT-11/SAP配合比(mg/mg),15分後吸収率(%),2時間後吸収率(%),2時間後膨潤率(粒径変化)(倍)は、それぞれ、2.Omg/mg,60%,92%,2.85倍、1.Omg/mg,75%,62%,3.28倍、0.4mg/mg,49%,45%,4.87倍だった。点滴静注用CPT-11溶解液(20mg/mL)原液を用いた場合にCPT-11吸収率が上昇し、SAPの膨潤率が比較的低くなった。 以上より、溶媒に点滴静注用CPT-11溶解液(20mg/mL)原液を使用して、SAP内に薬剤を吸収させるのが適当と思われた。 今後、更なる基礎検討の継続及び動物実験による検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度、平成23年度の研究計画にあるin vitroでの研究に関しては、まだ検討余地が残されているが、現時点での研究結果の範囲内で、薬剤溶出性の適正化は出来ていると考えられるので、おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、平成23年度に検討したイリノテカン(CPT-11)を使用した薬剤溶出性高吸水性ポリマーによる動物実験を予定している。この実験においては、特に(治療抵抗性の)転移性肝腫瘍を念頭に置いており、動物多発肝腫瘍モデルの作成が重要と考えている。
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Research Products
(3 results)