2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791199
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松隈 美和 山口大学, 医学部附属病院, 医員 (70467801)
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Keywords | 喀血 / dual-energy CT / 肺血流シンチ |
Research Abstract |
喀血症例を引き続き蓄積した。喀血症例に対し肺潅流CT(dual energy CT: DECT)を用いた肺潅流像と肺血流シンチを撮影し、画像比較を随時行った。肺潅流CTから得られた肺潅流像は、アメリカ国立衛生研究所で開発されたImageJを用いて、肺潅流像の分布(histogram).を作成し、肺血流SPECT像やプラナー像などと比較していた。肺潅流CTでは、潅流の低下域と非低下域の分布域の吸収値の平均値や標準偏差(noise)を計算することで、局所のsignal-to-noise ratio (SNR)や縦隔の対象領域と比較することでcontrst-to-nise ratio (CNR)が得られ、喀血例における肺潅流不均衡の病態を数値化している最中である。 喀血例に対して、侵襲的な肺動脈造影や治療となる気管支動脈・肋間動脈・鎖骨下動脈分枝(内胸・外胸・側胸動脈造影)などを行い、関与血管を同定し、体循環一肺循環短絡を観察することで、肺潅流CTの潅流異常域と過潅流域が一致するか検討する。血管造影時の所見として、(1)肺動脈造影では肺動脈分枝の欠損や、(2)気管支動脈・肋間動脈・鎖骨下動脈分枝(内胸r外胸・側胸動脈造影)などは体循環-肺循環短絡を大きな指標とし、視覚的にスコア化し(肺動脈造影では、欠損=0、減少=1、fine=2、体循環-肺循環短絡ではなし=0、少量の肺動静脈の描出=1、大きな短絡=2)、肺潅流CTの吸収値やnoise、SNR、CNRなどと症例は少ないが比較予定である。 肺血流シンチも比較し、dynamicな肺動脈造影とstaticな肺血流シンチと比較し、整合性や欠損域及び肺潅流像との関係を比較することで、喀血部位を特定するとともに、今までは間接的所見(CTにて拡張した気管支動脈の同定など)としか認められなかった体循環一肺循環短絡を直接的に画像化する試みを前年度に引き続き行った。 上記で数値化した値を、SPSSで解析中であるが、症例が少ないためスライス断面をさらに増やし、計算を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
以前は、陳旧性胸膜炎や気管支拡張症などに伴う慢性気管支炎症例が多く認められたが、このような症例が減少している。また、以前は喀血症例や繰り返す血疾症例に血管造影が迅速に行われていたが、近年は患者状態を考慮し内科的に治療されることも多く、症例数の確保が困難となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数が思うように蓄積できていない現状ではあるが、当院で扱う症例については引き続き検討を行っていく。撮影した画像のスライス厚を変化させたりすることで少ない症例のなかで有用な検討法についても善処する。
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