2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791207
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
染谷 正則 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60404711)
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Keywords | 放射線 / 放射線増感剤 |
Research Abstract |
DPYD(Dihydropyrimidine dehydrogenase)阻害効果が放射線増感効果を示すかどうかについて、培養細胞の中でも大腸癌細胞株であるDLD-1を用いてsiRNAを用いたDPYDノックダウンにより解析を行った。 特にDNA二重鎖切断修復経路のうち、相同組替え修復経路に関わるタンパクのフォーカスを免疫染色にて共局在を調べる事によって解析した。放射線照射によって生じたDNA損傷部位にはNBS1とRPAタンパクが共局在し、その後にRad51から下流の相同修復経路によって修復されるので、具体的にはNBS1、RPA、Rad51タンパクに対する抗体を使用し共染色を行い、放射線誘発NBS1、RPA、Rad51フォーカスの共局在の割合をカウントした。 結果、対照群に対してsiRNA DPYD処理群ではNBS1フォーカスは増加、RPA,Rad51フォーカスは減少し、またNBS1とRPAフォーカスの共局在の割合が減少した。これはDPYDが相同組換え修復のうちのNBS1-RPAの集合に関わる部位に働いている事が推察されており、それをsiRNAを用いて抑制する事でNBS1-RPAの共局在が阻害され、結果的にDNA損傷修復が阻害され放射線増感効果を示すものと考えられる。しかし、今回使用した細胞DLD-1はDPYDの酵素活性が元々とても低いので、なぜこのような効果が出たのかは不明な点もある。 この結果はJournal of Radiaiton Research誌に論文投稿しacceptされ、inp ressである。
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Research Products
(3 results)