2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい三者併用療法の開発 ?放射線治療+温熱療法+増感剤?
Project/Area Number |
22791208
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高木 克 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10404716)
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Keywords | 放射線治療 / 温熱 / 増感剤 |
Research Abstract |
ギメラシルの温熱増感効果の基礎的検討 (目的):ギメラシルは、経口フルオロピリミジン誘導体S-1の1成分である。ギメラシルは、元々は、5-FUを分解するdihydropyrimidine dehydrogenaseを阻害し、延長した5-FU濃度を血液及び腫瘍組織に得るためにS-1に添加されている。以前の研究で、我々は、ギメラシルはDNA2重鎖切断修復における相同組換え(HR)の阻害により、放射線治療の効果を増感することを示した。本論文では、効果的な放射線増感を得るため、ギメラシルの抗癌剤や温熱療法感受性に対する効果を検討した。 (方法):DLD1細胞(ヒト大腸癌細胞)を使用した。温熱、放射線照射のような処理後DLD1細胞の生存率をコロニー形成能で決定した。(a)温熱療法の加温温度を41~44、加温時間を0~60分と変化させ、各温度にてギメラシルの温熱増感効果がどのように異なるかを検討した。 (b)温熱療法の加温時間を30分に固定、温度を41~44と変化させ、加温後の放射線線量を0,2,4,6Gyと変化させて照射し、加温+放射線照射に対するギメラシルの増感効果がどのように異なるのかを検討した。 (結果):ギメラシルは、また、42度以上の温熱感受性を増感した。ギメラシルの温熱感受性の増感の程度は、温熱の温度があがるほど、大きくなった。放射線治療と、ギメラシルと42度以上の温熱の併用は、ギメラシル単独や温熱単独の放射線治療との併用よりも、より効果的に、放射線増感した。 (考察及び今後の予定):ギメラシルは、温熱療法の感受性を増感する。放射線治療増感法として、ギメラシルと温熱療法のより有効な併用法を探ることと、ギメラシルの温熱療法の増感の分子メカニズムを調べる。
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