2010 Fiscal Year Annual Research Report
陽子線治療における装置および患者から発生する中性子線量の弁別
Project/Area Number |
22791209
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
藤淵 俊王 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20375843)
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Keywords | 陽子線治療 / 中性子 / イメージングプレート / 放射線防護 |
Research Abstract |
がんはわが国の死亡原因の第1位を占め,ほぼ3人に1人が癌で死亡している。がんの治療法として,機能・形態の温存ができ,侵襲が少なく切らずに治せる放射線治療への期待がここ数年で明らかに高まっており,放射線治療患者数の増加は著しいものがある。そのような中,腫瘍にのみ投与線量を集中させ,かつ正常組織への線量を可能な限り減らす手法が求められ、深部線量に対し良好な線量分布を形成できる陽子線,重粒子線を用いた治療施設が年々増加している。陽子線治療において,陽子線とビームラインや患者との相互作用によって生じる2次中性子の患者体内での分布や挙動の評価は,治療精度および放射線誘発がんのリスク評価の観点から注目されている。本研究では,陽子線治療において患者に寄与する2次中性子のうち,装置および患者(ファントム)自身から発生する中性子フルエンスの分布を測定し,中性子の発生源ごとに弁別したファントム内の中性子線量分布を解析する。この結果により,照射野整形方式による患者への中性子線量の違い,および陽子線治療により避けることのできない患者自身から発生する中性子線量がどの程度の割合を占めるかを明らかにする。本年度の研究では、イメージングプレートを利用し高感度で中性子フルエンスを測定する検出器を開発し、その基本特性を評価した。本法は中性子と光子を弁別して測定することが可能で、固体秘跡検出器や放射化箔といった従来の中性子検出器に比べ取り扱いが容易であることから、来年度は本検出器の特性を生かし陽子線治療場での中性子測定を行う。
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Research Products
(2 results)