2011 Fiscal Year Annual Research Report
部分的脾動脈塞栓術(PSE)を用いた肝臓再生~自家骨髄幹細胞移植と関連して~
Project/Area Number |
22791215
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山本 晃 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60419695)
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Keywords | 再生医学 / 放射線 |
Research Abstract |
日本白色兎を用いた実験結果では,慢性肝障害のモデルを作成することが可能であった。25匹の検討により血清学的に肝機能低下と、肉眼的、組織学的に肝臓の線維化を認めた。ビリルビン値は四塩化炭素の投与前後で有意に低下を認めた(p<0.0001)。正常兎を用いた実験で、骨髄幹細胞は必要とする全例で大腿骨および脛骨から採取することができ、充分量の幹細胞を含む単核球を得た。また簡便な2重管方法の確立にも成功した。また脾動脈塞栓術も、正常兎を用いて確立、4Frカテーテルを用いた手技で3~5割程度の塞栓により生存が確認できた。これらをくみあわせて、ビリルビン値が上昇した慢性肝障害の兎に対して、それぞれ生食動脈内注入(コントロール群)、骨髄細胞の注入(骨髄幹細胞群)、脾動脈塞栓術(partial splenic embolization(PSE))の施行(PSE群)、骨髄幹細胞の注入および脾動脈塞栓術(骨髄幹細胞+PSE群)を行った。骨髄細胞の注入および脾動脈塞栓術を行った群では、血清学的に総ビリルビンの低下が認められたが、コントロール群、PSE群、骨髄幹細胞群でも、術中術後に兎が死亡し、慢性肝障害モデルの兎に対する麻酔、カテーテル手技、骨髄幹細胞採取が兎にとって過負荷となり、死亡例が多数でたため十分な検討ができなかった。兎に対して骨髄幹細胞を採取する手技と、脾動脈塞栓術を行う手技は十分に確立することができた。今後は四塩化炭素にて作成した肝障害モデルではなく、非アルコール性脂肪性肝炎モデル(NASHモデル)を用いて対して手技を行い、慢性肝障害の改善効果について検討する予定である。
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