2010 Fiscal Year Annual Research Report
画像誘導放射線治療および適応放射線治療における機能画像応用の検討
Project/Area Number |
22791216
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
浅川 勇雄 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20382319)
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Keywords | 核医学 / 放射線治療学 / 画像誘導放射線治療 |
Research Abstract |
腫瘍を想定したアクリル製中空の球体を内蔵した医学画像用の容積測定円柱ファントム(人体模型)を用いた実験では、腫瘍組織放射能比Standardized Uptake Value (SUV)を利用した標的体積の輪郭描出は、F-18-フルオロデオキシグルコース(FDG)濃度が均一に分布している場合、SUVの最大値に対して40%~50%に相当するSUVの輪郭が実際の球体の大きさとよく一致し、肺癌臨床例でもファントム実験と同様に近似した輪郭が得られたが、FDGが不均一に分布している種々のモデル(偏在、多層構造等)では、SUVの輪郭と実際の球体との不一致がみられ、問題点が多いことを明らかにした。また、移植ヒト由来腫瘍の病理組織および遺伝子発現の検討を行ない、PET/CTレベルの機能画像を分子レベルの機能画像に反映させるための基礎的検討、特にFDG集積との相関が示唆される腫瘍増殖能および放射線感受性との遺伝子発現の関係を解析した。 臨床例の検討では、頭頸部癌、悪性リンパ腫の治療前FDG-PET/CT所見と放射線治療計画における標的体積の関係についての検討をおこない、頭頸部扁平上皮癌の原発巣では、CT画像のみでの標的決定に比較してPET画像を併用する方が、標的検出の感度が高いこと、その一方で特異度や辺縁描出には限界があり、分解能ではCTの方が優れていることを明らかにした。悪性リンパ腫では組織型によって有用性が大きく異なり、特に低悪性度の辺縁帯B細胞リンパ腫では、偽陰性、偽陽性等の問題点が多いが、例外的に強陽性の例もあることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)