2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791228
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
吉田 理絵 関西医科大学, 医学部, 助教 (90571167)
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Keywords | 経皮的バイパス術 / 管腔臓器 / 画像誘導下 / エックス線透視 / インターベンショナルラジオロジー / 動物実験 |
Research Abstract |
経皮的バイパス術とは、外科的切開を行わずインターベンショナルラジオロジーの手法を用い、エックス線透視画像誘導下に二つの管腔臓器の内腔を連結させる術式である。バイパス路の直線化という部位制限のある2点連結式経皮的管腔臓器バイパス術を改艮し、4点連結式経皮的管腔臓器バイパス術を考案した。昨年度までにファントム実験で改良したデバイスおよび術式をもとに、本年度は豚を用いた動物実験を行った。透析用動静脈シャント形成術を想定し、管腔臓器としてA腎動脈(右大腿動脈アプローチ)とB肝静脈(右内頚静脈アプローチ)を選択し動静脈短絡術を計画。右側腹部に皮下迂回路を設け、管腔臓器A、皮下の2点、管腔臓器Bを経路する4点での連結による経皮的管腔臓器バイパス術を施行。管腔臓器A・Bにスネアワイヤ(1)(2)を、皮下にスネア(3)(4)を挿入し展開。管臓器内と皮下の各スネア((1)と(3)、(2)と(4))を貫通させ穿刺し、穿刺針に貫通用ライン(糸)を挿入、一方は管腔内スネアを閉じ、他方の皮下連結用スネアは閉じずに2本の貫通用ラインを確保。この2本の貫通用ラインを連結し一本化し、皮下を迂回したPull-Throughを形成。ストッパー固定のデリバリシースを挿入後、バイパス路となるカテーテルを留置し、バイパスを形成。突刺針、スネア、ワイヤ、シースそれぞれの操作は技術的に実行可能で、バイパス形成に成功した。屠殺後の肉眼的所見では、ワイヤによる腎実質の損傷と、それに伴う腎周囲血腫を認めた。原因は、牽引にて直線化されたワイヤから臓器にかかる横力であることを突き止めた。この解決策として中間2点の牽引をデリバリシース挿入まで維持してワイヤから臓器にかかる横力を軽減し、貫通後除去できる中間2点のスネアを作成することを考案している。これまでファントム実験で行ってきた4点連結式経皮的管腔臓器バイパス術は生体で可能であることが動物実験で実証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の「研究の目的」は、豚を用いた動物実験での4点連結式経皮的管腔臓器バイパス術の実行可能性を実証することであり、本年度の動物実験で実行可能性を実証できたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策は、臨床に4点連結式経皮的管腔臓器バイパス術を導入できるレベルのデバイスと術式の完成である。研究を遂行する上での問題点は、周囲臓器のダメージの軽減である。本研究での対応策は、貫通後に除去できるスネアの開発である。
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Research Products
(1 results)