2011 Fiscal Year Annual Research Report
q-space imagingを用いた髄鞘の可視化
Project/Area Number |
22791230
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Research Institution | 実験動物中央研究所 |
Principal Investigator |
疋島 啓吾 公益財団法人実験動物中央研究所, 病理病態研究部, 研究員 (30420219)
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Keywords | MRI / 拡散 / q-space |
Research Abstract |
病理組織解析における髄鞘染色法のように、髄鞘そのものの分布の評価を、それも定量的に、in vivO非侵襲的に可視化できれば、様々な神経疾患の本態の解明にきわめて有用なツールとすることができる。本研究は、磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging : MRI)を用い、神経構成要素の1つ髄鞘構造が有する細胞特異的な拡散制限現象を利用することでその存在を捉えることを目的としている。昨年度までに、MR髄鞘可視化法を開発し、髄鞘形成不全マウスの脊髄標本を対象にその有効性を確認した。今年度は、実際に生きたままに髄鞘を可視化できるか、神経解剖学的によりヒトに近い小型霊長類コモンマーモセットの脱髄病態モデルにおいて検証した。その結果、phosphatidyl cholibeの脊髄後索注入後2週において白質内の脱髄領域が観察され、4週において再髄鞘化することを観測し、病理組織像との一致を確認した。さらに、3T臨床用MRI装置へ実装し、健常人ボランティアの頭部における髄鞘画像を取得することに成功した。以上より、本手法は、基礎研究において近年発達の著しい神経再生療法における髄鞘評価法として、また、臨床画像医学における多数の神経疾患、精神疾患の病態解明において、非常に強力なツールに成ると考えられる。
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Research Products
(1 results)