2011 Fiscal Year Annual Research Report
軸索再生の指標となる神経特異的接着分子のPETイメージング
Project/Area Number |
22791233
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
向井 英史 独立行政法人理化学研究所, 分子プローブ動態応用研究チーム, 研究員 (60570885)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Keywords | 神経接着分子 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生体内の神経接着分子を、ポジトロン放射断層撮影(PET)によって可視化可能な分子プローブの開発を目的としている。具体的には、神経接着分子NCAMに対するペプチドリガンドとして見出されているC3dを応用し、デンドリマー状に多量体化したPET分子プローブの開発を目指した。昨年度の検討において、こうしたペプチドプローブは、分子量が大きく分岐構造を持つため通常の固相合成では収率が非常に低いという問題点が明らかとなった。そこで、本年度は、リジンによる分岐型のペプチド分子プローブを効率的に合成する手法の検討を行った。対照として、我々の検討で既にテネイシンCを発現する腫瘍に対し、インビボで集積することが明らかとなっており、C3dペプチドとほぼ同等の分子量を持つ抗テネイシンCペプチドアプタマー分子プローブについても合わせて合成、検討を行った。リジンにより分岐させた第0,1,3世代のデンドロン構造とC3dペプチドとのカップリング反応に関しては、液相及び固相での反応を行い、さらに、C末端側にあらかじめ導入しておいたシステイン残基に対し、マレイミドを介して、金属配位子DOTAを共有結合させた。この様にして合成したキレーター修飾標識前駆体に対する配位反応により、^<64>Cuや^<68>Ga標識分子プローブの合成に成功した。NCAMの発現が知られているヒト神経膠芽腫細胞U87MGをモデルとして、細胞培養実験、並びに、腫瘍移植モデルマウスを用いたPET実験により、本研究で新規に合成したPET用分子プローブがNCAMの可視化に有用である可能性を示唆することが出来た。
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