2010 Fiscal Year Annual Research Report
重粒子線心臓照射における電気生理学的及び照射容積線量関係の検討
Project/Area Number |
22791236
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 徹 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 医長 (90447813)
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Keywords | 重粒子線治療 / 不整脈 / 心筋梗塞後 |
Research Abstract |
本研究は、心筋梗塞後の致死性心室性不整脈に対する重粒子線治療の有効性を確かめ、臨床応用の実現に向けた前段階研究である。本研究の目的は、縦隔に対する重粒子線照射予定患者を対象に、ホルター心電図を施行し、心臓の重粒子線被曝による電気生理学的影響の有無を明らかにするとともに、心臓に対する重粒子線被曝を照射容積-線量関係を用いて定量化し、電気生理学的影響と被曝の相関を明らかにすることである。この結果は、心筋梗塞後の致死性不整脈の予防治療の臨床応用の際、不整脈予防の効果予測、心臓への照射部位、方向及び安全性に寄与できると考えられる。本年度は、縦隔に対する放射線(重粒子線)照射予定患者(肺癌、食道癌、脊椎腫瘍、胸部リンパ節腫瘍など)に、本調査の対象か否かの判断を担当医師が行い(スクリーニング)、10症例(肺癌、心臓腫瘍)に同意を取得した。高分解能・高信頼性を有するEla medical社のホルター心電図記録器を使用し、放射線照射前、照射後1週間以内(急性期)、照射後1ヶ月(慢性期)に施行した。取り付け時間は放射線医学研究所における治療前~照射後までの連続24時間であった。この登録された10症例に対して、心室遅延電位(LP),T波のオルタランス(TWA),QT時間のばらつき(QT-D)の経時的変動の解析を開始した。また心臓の重粒子線被曝の定量化も開始した。実際の重粒子線照射に用いられる治療計画CTを用いて、心臓各部位をコンピューター上にてコンツールすることにより同定し、癌治療のために照射される線量にて、心臓への線量分布の計算を開始し、心臓各部位の重粒子線被曝を照射容積-線量関係を用いて定量化する予定である。
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