2012 Fiscal Year Annual Research Report
重粒子線心臓照射における電気生理学的及び照射容積線量関係の検討
Project/Area Number |
22791236
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡田 徹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90447813)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 重粒子線治療 / 不整脈 / 心筋梗塞後 / 心臓悪性腫瘍 |
Research Abstract |
本研究は、心筋梗塞後の致死性心室性不整脈に対する重粒子線治療の有効性を確かめ、臨床応用の実現に向けた前段階研究である。本研究の目的は、縦隔に対する重粒子線照射予定患者を対象に、ホルター心電図を施行し、心臓の重粒子線被曝による電気生理学的影響の有無を明らかにするとともに、心臓に対する重粒子線被曝を照射容積-線量関係を用いて定量化し、電気生理学的影響と被曝の相関を明らかにすることである。肺癌症例9例、心臓悪性腫瘍症例1例の10例が登録され、照射後のホルター心電図を拒否した1例を除いた9例を解析対象とした。症例はすべて縦隔に対する重粒子線照射が行われ、心臓へ重粒子が照射されていた。平均照射回数は12.8回、心臓への照射線量は、平均47.3GyE、最大52.0GyEであった(GyE; 重粒子線の生物学的効果を考慮したX線等価線量)。重粒子照射前後のホルター心電図記録から、不整脈発現回数と心室遅延電位(LP)を解析した。不整脈出現の有無については、慢性心房細動が洞調律に回復;1例、発作性心房細動が消失;1例、心室性期外収縮が消失;1例、非持続性心室頻拍が消失;1例、不変;5例であった。LPについては1例で、照射により陰転化を示した(心室性期外収縮消失例)のみであったため、不整脈不変群、不整脈消失群に対して、心臓に対する重粒子線照射線量との相関を検討した。心臓全体及び心臓各部位(左房、左室、右房、右室)の照射容積-線量関係より求められた平均線量、最大線量を、Mann-Whitney検定を行ったところ、有意な差は認められなかった。これは症例数の少なさの他に、動物実験と異なり、1回線量の少なさが大きく異なることが推測された。しかし9症例は、少なくとも、電気生理学的に安全な照射が行えていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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