2010 Fiscal Year Annual Research Report
男性不妊症治療を支援するヒト精細管MRI診断システムの開発
Project/Area Number |
22791238
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
山口 雅之 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 室長 (90450577)
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Keywords | MRI / 精細管 / 男性不妊症 / 悪性腫瘍 |
Research Abstract |
臨床用3テスラ高磁場MRI装置上で使用可能な、ヒト精巣専用の直径3センチの小口径信号受信機(コイル)を開発した。 また、教師付学習アルゴリズムを利用して、精細管MRIの所見から重要な形態学的特徴を自動抽出し、正常と異常の精細管を自動判別する支援ソフトウェアを開発した。このソフトウェアの有用性を、ヒト精細管と同等のサイズのラット精細管のMRIデータを解析することで検証した。それぞれ、抗がん剤または生理食塩水を投与したラットの精細管MRI画像を、3テスラ高磁場装置とT_2強調高速スピンエコー法を用いて得た。精巣に合計654個の関心領域を置き、186個の形態学的特徴を自動計測したうえ、抗がん剤による精細管障害の程度を分類するために最適な16個の特徴量を抽出した。この16個の特徴量を使った障害の診断率は83%であり、専門医が視覚的に評価した場合の診断率64%を上回っていた。 男性不妊症患者に対する精巣内精子回収術において、精子が存在する可能性が高い精細管の場所をナビゲーションすることにより、精子回収率を向上し、人工授精の成功率を上昇させることができる。精巣内には数百本の精細管が存在するので、1本1本を調査することは困難で、本研究で開発した自動分類ソフトウェアを利用することで、診断の効率を高めるとともに、診断成績の向上も望めることが判った。本研究成果の一部は、国際磁気共鳴医学会(ISMRM、ストックホルム、2010年5月)にて発表した。
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Research Products
(3 results)