2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症早期診断及び多施設共同研究に即したPETデータのオンライン定量解析
Project/Area Number |
22791239
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
坂田 宗之 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00403329)
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Keywords | PET / 定量解析 |
Research Abstract |
脳におけるPET(ポジトロン断層撮影)を用いた研究は、定量性の高い計測手法として注目され、多施設での共同研究なども盛んに行われているが、得られた多数例のデータを効率的に解析するためには、自動的かつオペレータ依存のない解析法が望まれる。本研究では、認知症早期診断及び多施設共同研究に即したPETデータのオンライン定量解析の実現を目指し、PETデータ解析におけるROI設定が抱える問題点を解決することを目的とした。今年度は、昨年度までの研究に続き、多数例の[^<11>11C]PiBデータとMRIを用い、関心領域(ROI)自動設定を用いた[^<11>C]PiBデータの解析を試みた。[^<11>C]PiBはアルツハイマー病(AD)の原因物質とされるアミロイドβ蛋白の蓄積を画像化するPETトレーサである。ROI自動設定は、昨年度までの研究で、DARTELによるMRI T1強調画像の解剖学的標準化の逆変換と、MRIと[^<11>C]PiB画像の位置合わせを利用し、MRIテンプレート上の標準ROIを各個人の形態に合わせて変形することで実現した。さらに、MRIの全脳マスクを平滑化と閾値処理して得られる領域内にROIを制限し、脳の萎縮及び部分容積効果の影響軽減を図った。被験者100名超の[^<11>C]PiB計測の後期画像とMRIを用い、小脳皮質を参照領域、ADにおいて[^<11>C]PiBが特異的に集積する皮質領域を対象領域としてした参照領域比を算出し、医師による視覚読影結果と比較した。結果、DARTELの頭蓋骨除去が失敗した1例を除き、ROIの自動設定提案手法による解析が可能であった。得られた参照領域比を閾値1.5で判定すると、全例で視覚読影の陽性陰性と判定が一致した。このことから、提案手法の有効性が示唆された。
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