2010 Fiscal Year Annual Research Report
子宮筋腫・肉腫鑑別のためのPETによる細胞増殖イメージング
Project/Area Number |
22791241
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
山根 登茂彦 (財)先端医療振興財団, 映像医療研究開発部門分子イメージング研究G, 医師 (20526660)
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Keywords | FLT-PET / 子宮筋腫 / FDG-PET / 子宮肉腫 |
Research Abstract |
近隣の施設から、子宮肉腫の疑いがある子宮腫瘍患者を募集した。平成22年度で7例の患者の研究参加同意を取得し、FLT-PETおよびFDG-PETを施行することができた。当初の計画どおりであり、経過は順調であると考える。以前から取得済のデータも含め、合計16例での解析を行うことができた。手術あるいは経過観察により、臨床的に子宮肉腫との最終診断を得た患者は3例、子宮体癌が2例、残り11例は子宮筋腫であった。子宮肉腫および子宮体癌にはFDG、FLTともに高集積を呈する傾向があった。子宮筋腫は、FDGで偽陽性となる症例が多く見られた。この結果からFLT-PETが子宮悪性腫瘍の良性・悪性の鑑別に有用である可能性が示唆された。また病理結果が得られた13例については、Ki-67抗体発現率と各PETの集積との相関性についても評価した。その結果FDG集積とKi-67抗体発現率との相関性は弱かったが、FLT集積とKi-67抗体発現率とは強い相関性があることが確認された。これよりFLT-PETは腫瘍の悪性度の評価においても、FDG-PETより優れた相関性を有し、有用性が高い可能性があることが示唆された。またPET検査に併せてMRIも同時期に撮像し、各PET検査との融合画像を作成した。融合画像はコンピュータ上でソフトウェア的に行い、全例で特に問題なく作成できた。現在のところ研究の進行は順調な経過といえるが、症例数、特に悪性症例が限られている。そのため十分なデータとはいえない部分もあり、ひきつづき23年度も継続して症例を募集していく予定である。
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