2011 Fiscal Year Annual Research Report
iPS化ADSCを用いた微小環境の再生・再構築による次世代型膵島移植法の研究開発
Project/Area Number |
22791250
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大村 仁昭 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90571349)
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Keywords | 移植外科学 / 再生医療 / 糖尿病治療 / iPS / ADSC |
Research Abstract |
糖尿病マウスに対する膵島移植において、治癒量と言われている400IEQの膵島、marginal量と言われている200IEQの膵島に、それぞれ同体積のpellet量である4.0×10^5個、2.0×10^5個のADSCを加えて、糖尿病マウスの腎被膜下の同じ場所に移植するhybrid膵島移植を行った。その結果、ADSCを用いたhybrid膵島移植では、膵島をmarginal量の200IEQまで減量しても、同pellet体積の2.0×10^5個のADSCを加えて、同側の腎臓にcontactしてhybrid膵島移植することで、治癒量との400IEQの膵島移植をした場合と同程度まで、血糖正常化期間を延長することが可能であった。そのメカニズムとして、ADSCを加えたhybrid膵島移植を行うことで、膵島だけの移植よりも、移植後早期の血管新生が亢進していて、CD4陽性のリンパ球及びCD8陽性のリンパ球や、CD68陽性のマクロファージの遊走が抑制されていることが確認され、抗炎症効果、拒絶反応抑制効果が示された。さらにADSCをマーキングしてhybrid移植を行い、各種組織への分化・再生、新生血管誘導能を検証したところ、膵内分泌組織への分化は確認できなかったが、一部で血管内皮細胞への分化の可能性が示唆され、その他の血管内皮細胞が、レシピエント由来であることが認められ、さらに、経過観察を続けると、周囲のADSCのステムネスマーカーが減少していくことが確認された。 以上を、拒絶反応が発生するallogeneicモデルで実験を行ってきたが、拒絶の起こらないsyngeneicモデルでhybrid膵島移植を行い、長期成績の評価するため、現在も観察実験を継続している。また、ADSCをiPs化することに、教室で成功したため、そのiPs-ADSCを用いて、これまでの研究成果をもとに、マーキングしたiPS-ADSCを用いてhybrid移植を行い、膵内分泌組織への分化・再生の検証を行っている。
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