2011 Fiscal Year Annual Research Report
免疫グロブリン由来制御性Tエピトープによる免疫寛容機構の解明と臓器移植への応用
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22791253
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 友加 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90432666)
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Keywords | 免疫グロブリン / 免疫寛容 / 臓器移植 |
Research Abstract |
本研究の目的は、免疫グロブリン由来制御性Tエピトープによる同種異系免疫応答の抑制機構を解析である。 これまでの解析で、免疫グロブリンIgGのC末端H鎖Peptide 289とN末端H鎖Peptide 167にT細胞に対する免疫制御能がある可能性が示唆されている。本年度は、Peptide 289を作成し、健常人ボランティアの同種異系リンパ球混合試験により評価したところ、従来の免疫抑制剤に比べ、T細胞抑制効果は優位ではなかった。 次に、免疫制御のメカニズムを解明するための、同種異系リンパ球混合試験による反応性T細胞のシグナル伝達機構の解明を行うアッセイ法の確立を試みた。CD4^+T細胞は、抗原提示細胞とのTCRおよびサイトカイン受容体を介したシグナルにより様々なTh分化に誘導されることが知られている。HLAの異なる健常人の末梢血単核球を用い、同種異系でMLRを行い、抗アロ応答に伴うCD4^+T細胞の細胞内STATシグナル発現を評価した。アロ応答CD4^+T細胞は、STAT1,3,5の発現上昇を認めた。IL-2添加による拒絶モデルでSTAT3および5の優位な増加を認め、IL-2R抗体添加によってSTAT5のみが抑制された。また、IL-6R抗体添加では、STAT3の特異的抑制を認めた。この解析系を用いPeptide 289の免疫制御機構を解析すると、全てのSTATのリン酸化を軽度に抑制した。以上、免疫グロブリン由来制御性Tエピトープの免疫抑制機購を解析した。
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Research Products
(5 results)