2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム蛋白複合体による乳がんホルモンレセプター発現調節機序の解明
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22791254
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
池田 拓広 広島大学, 病院, 医科診療医 (30557070)
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Keywords | ポリコーム蛋白 / Mel-18 / Bmi-1 |
Research Abstract |
ポリコーム遺伝子群は個体の発生や分化、更には発癌に深くかかわっている。ポリコーム蛋白質複合体はPRC1とPRC2の二つに大別でき、それぞれがDNAメチル化、ヒストン修飾、クロマチン再構築などの様々な酵素活性を持つことが知られ、発癌のエピジェネティック制御の主役を演じている。我々は特にPRC1複合体であるMel-18とBmi-1に注目し、それぞれのサブユニットが別々のPRC1複合体として存在し、発癌のエピジェネティック制御にかかわっていることを解明してきた。 Mel-18とBmi-1のPRC1複合体の単離し、乳腺細胞株にmicroinjectionしたところBmi-1で細胞増殖が促進され、Mel-18では細胞増殖が抑制された。Mel-18ヘテロマウスを作製したところ、乳癌の癌抑制遺伝子の発現低下、癌遺伝子の発現上昇を認め、更に乳癌が形成された。臨床検体による検討では良性腫瘍の患者と比較し担癌患者では腫瘍内のMel-18、Bmi-1の発現上昇を認め、癌の進行とともにその発現が低下していることがわかった。そしてホルモンレセプター陰性(ER(-))、トリプルネガティブ(ER(-),PgR(-),HER2(-))患者でMel-18の発現低下が認められた。現在以上の事実を論文化し投稿中である。 現在Mel-18ヘテロマウスを用いた研究を進行中であるが、個体死したため、再度作成中である。
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