2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌特異的分子を付加した癌選択的抗癌剤内包型新規機能化人工ウイルスの開発
Project/Area Number |
22791255
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鬼丸 学 九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (80529876)
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Keywords | 膵癌 / 人工ウイルス |
Research Abstract |
本研究は、当研究室で開発したナノ分子粒子(人工ウイルス)に抗癌剤を内包し、同じく我々が開発した癌特異的分子を付加した癌選択的抗癌剤内包型新規機能化人工ウイルスを作成し、抗癌剤と新規Drug Delivery System(DDS)を融合した、固形癌に対する新しい治療戦略を開発することが目的である。本年度我々は、以下1-2の研究を行った。1.新規癌特異的抗癌剤内包型多機能化人工ウイルスの作成:独自に開発した古細菌Methanococcusjannaschiiが作るsmall heat shock proteinに由来するタンパク質ナノカプセルMj285(人工ウイルス)に、ゲムシタビン(GEM)のを内包させ、さらに、アミド結合によるbiocon jugationにより癌特異的分子MPC1(特許申請中)を付加することで、新規癌特異的抗癌剤内包型多機能化人工ウイルスの作成に成功した。2.新規人工ウイルスの形態評価及びin vitroにおける機能評価:作成された人工ウイルスは、外形12nmの分子量分布が無い構造を有しており、内孔に10倍モルのGEMを内包し外側にMPC1が付加されていることを動的光散乱測定装置、ゲル浸透クロマトグラフィー、透過型電子顕微鏡等で確認した。また、in vitroにおける膵癌細胞株と正常細胞の比較実験において、人工ウイルスが膵癌細胞株に特異的に取り込まれることが確認され、また、一定の治療効果を有することが確認された。次年度は、in vivoにおける新規癌特異的抗癌剤内包型多機能化人工ウイルスの機能評価を行い、さらに、臨床検体由来の癌細胞移植マウスモデルを用いて新規人工ウイルスの治療効果を検討する予定である。
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