2012 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の癌免疫機構における免疫補助刺激分子の臨床的意義と新たな臨床応用への展開
Project/Area Number |
22791256
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
有上 貴明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40527058)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 癌免疫機構 / T細胞性免疫応答 / 免疫補助刺激分子 / B7 ligand family |
Research Abstract |
【背景】本研究では、腫瘍免疫において免疫学的監視機構をすり抜ける癌独自のエスケープ機構に関与しているとされるB7 familyの一つであるB7-H3およびB7-H4に着目し、これらの発現の臨床的意義やT細胞性免疫応答に対する機能的役割を解析し、胃癌に対する新たなバイオマーカーとしての診断や個別化治療への臨床応用の可能性について検討した。【対象】当科にて手術を行った切除胃癌94例の術前末梢血液を対象とした。コントロールとして胃癌細胞株(n=4)および健常者の末梢血液検体(n=21)を用いた。さらにB7-H4の機能的役割を解析するにあたっては切除胃癌120例の原発巣を対象とした。【方法】胃癌細胞株および臨床検体の末梢血液におけるB7-H3およびB7-H4 mRNAの発現をRT-PCR法により評価した。次に臨床検体の原発巣におけるB7-H4蛋白の発現を免疫染色にて評価後、CD3抗体を用いて腫瘍浸潤Tリンパ球を同様に免疫染色にて解析した。【結果】胃癌患者の末梢血液におけるB7-H3およびB7-H4 mRNA発現は健常者に比較し、明らかに高値であり (P<0.001)、従来の腫瘍マーカーCEAやCA19-9に比較して感度・特異度ともに良好であった。臨床病理学的因子との関係では、これらの発現は有意に進行度と相関していた (P<0.05)。さらに高発現群の予後は低発現群に比較して明らかに予後不良であった (P<0.05)。一方、原発巣におけるB7-H4発現解析では120例中、31例(25.8%)に高発現が認められ、B7-H4発現と腫瘍浸潤Tリンパ球数には逆相関の関係が認められた(P<0.001)。【考察】胃癌におけるB7-H3およびB7-H4発現の検索は、血中遊離癌細胞に対する分子学的診断法となる可能性があり、さらには新たな免疫療法のバイオマーカーとなることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|