2011 Fiscal Year Annual Research Report
再生不良性貧血動物に対する間葉系幹細胞移植治療モデルの確立
Project/Area Number |
22791259
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 禎史 慶應義塾大学, 医学部, 研究員 (70465003)
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Keywords | 幹細胞移植 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究では、造血支持能に異常を持つことで再生不良性貧血を呈する疾患マウスをレシピエントとして用い、申請者らが開発した『高純度primary MSCs(間葉系幹細胞)分離法』で得たMSCsで移植を行う。それにより造血微小環境(ニッシェ)の再構築を行い、『造血支持能の獲得と貧血症状の改善』を誘導し、再生不良性貧血の新規治療モデルの確立を行うことが目的である。 貧血症状を呈するSca-1ノックアウトマウスのMSCsの解析を行った。報告どおり老齢になるにつれてCFU-Fの形成数に減少がみられた。つまり、自己複製能に異常がみられた。正常なMSCsを移植すれば、貧血症状の改善や発症を防ぐことができると考えられる。 実際の治療では、MSCs移植を経静脈移植で行うことができれば、患者の負担を軽減できると考えられるため、放射線照射後にHSCsとMSCsを経静脈移植する移植実験を行った。しかし、MSCsの生着率が低いという問題があるため、放射線を10.5Gyも照射しなければならない。野生型マウスではこの照射量で50%~80%は生存するのだが、MSCsに異常が起きている老齢Sca-1ノックアウトマウスでは生存率が極端に低い結果となった。移植前処置の検討と若齢マウスへの移植を考えなければならない。生存した野生型マウスの末梢血の解析を行ったところ、血球マーカーであるCD45を発現するMSCs由来細胞を検出することができた。この割合は個体差があるが、~10%だった。また、これらの細胞の中にはマクロファージのマーカーであるCD11b、穎粒球のマーカーであるGr1やB細胞のマーカーであるB220を発現している細胞も検出できた。この細胞がどのような細胞であるか、MSCsが血液細胞に分化可能か検証中である。。
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Research Products
(3 results)