2011 Fiscal Year Annual Research Report
小腸グラフト遊走性抗原特異的制御性T細胞導入による小腸移植後免疫寛容誘導法の確立
Project/Area Number |
22791262
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
阿部 雄太 東京医科大学, 医学部, 助教 (70327526)
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Keywords | 外科 / 免疫学 |
Research Abstract |
研究期間前半はマウス小腸移植モデルの不安定性に対する確立に苦労した。研究代表者は2009年まで在籍した米国にてこのモデルの5日生存率>90%であったが施設変更などもあり1日生存が50%以下とモデルには不十分のクオリティーであった。実体顕微鏡の改良、手術器械の改良とトレーニングにより平成22年度末にようやくある一定のクオリティーのモデル作成に至った。次にNaiveマウスからの細胞ソーティング、Tregコンバージョンの再現性を確認した。マイクロビーズを変更したことによりデータの再現に支障をきたしたもののテクニカルな問題を改善することにより解決した。続いて後半は(1)無処置マウスの末梢よりRA-Tregを投与したところ、Tregが腸間膜リンパ節に有意に増加することを確認した。また投与後18時間でピークに達することを確認した。これらを(2)小腸虚血再灌流マウス(3)同種同系小腸移植マウス(4)同種異系小腸移植マウスの3群に施行したところTregの増加は(3)=(4)=(2)>(1)となり虚血再灌流障害がTreg増加に関与している可能性が示唆された。しかしこれらの解析は移植後1日生存75%モデルにて生存マウスのみを抽出した解析結果にて再検を要すると考えている。一方でモデルの確立は23年度後半になりようやく大成し23年度末の時点では同系(拒絶なし)小腸移植マウスの7日生存は90%に達した。上記検証の再検と導入されたTregとレシピエント生体内のTregの比率などの検証を行っている。
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