2010 Fiscal Year Annual Research Report
ErbBファミリー輸送分解分子群による乳がん悪性化機構の解明
Project/Area Number |
22791265
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
桜井 遊 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), 免疫学部, 特任研究員 (80451574)
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Keywords | ErbB2 / ErbB3 / プロテアソーム / ユビキチン化酵素 |
Research Abstract |
予後不良の乳癌では、ErbB2およびErbB3からなるヘテロダイマーの発現が頻繁に認められ、乳がん悪性化形質発現に機能している。ヘテロダイマーを分解しシグナル停止する「受容体輸送・分解系」の不活性化が乳がんの悪性化に関与する可能性を調べた。Her2/ErbB3ヘテロダイマーを発現するMCF7細胞を構築した。定常状態およびNRG1β刺激下におけるErbB3の分解経路についての解析を行った。プロテアソーム系またはリソソーム系のいずれかによって分解される可能性を想定し、特異的阻害剤であるEpoxomicin(Epx)およびE-64-d/Pepを用いて検討を行った。定常状態でのErbB3の分解は、プロテアソーム系とリソソーム系の双方による分解の可能性が、NRG1β刺激条件下ではプロテアソーム系依存性の分解をうけることが示唆された。Her2/ErbB3分解酵素候補遺伝子(各種E3およびVPS4B等のESCRT蛋白)を導入した。HECT型、RING型のE3ユビキチン化酵素(E3)から、C-cbl, Cbl-b, Hakai, NEDD4-1, NEDD4-2, Itch, MARCH, Nrdp1, Triad3等を検討した。その結果、Nrdp1に加えて新たに2種のE3がErbB3を分解することが判明した。一方、ErbB3の各種変異体を多数作成し、同分子の分解に必要な部位を検討した。その結果、ErbB3の細胞質内領域中央のチロシンキナーゼ活性部位よりC末側の約100アミノ酸が分解に必要であることがわかった。
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Research Products
(2 results)