2011 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌の増殖を支持する癌付随線維芽細胞におけるFOXF2遺伝子の役割
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22791272
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
SULTANA Nishat 浜松医科大学, 医学部, リサーチアシスタント (80529503)
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Keywords | 癌付随線維芽細胞 / 癌細胞増殖 / FOXF2 / 上皮-間葉相互作用 / 転移能 / Wnt5a |
Research Abstract |
昨年度の成果、大腸癌HT29細胞をヌードマウスに移植する際、正常マウス胎仔腸管間質線維芽細胞(Intestinal embryonic fibroblast ; IEF)と共に移植すると、Foxf2 KOマウス胎仔IEFと共に移植した場合より、顕著な癌細胞増殖支持作用があることが明らかになった。今年度は、その増殖支持作用に関わる分子の同定を試みた。まず、移植された部位を切除し、コラーゲナーゼ処理をして、浮遊細胞にし、サイズの大きい上皮細胞を除いた。残りの間質と想定される細胞からRNAを抽出した。同様な操作を、Foxf2 KOマウス胎仔IEFと共にHT29細胞を移植した部位にも施し、間質細胞からのRNAを得た。この2つのRNAをDNAマイクロアレイにかけて、Foxf2 KOマウスIEFと共移植した間質RNAの発現に比し、正常マウスIEFと共移植した間質RNAの発現が大きなものが23個あった。それらのうち、消化管上皮細胞の増殖に関わっているWnt5aに注目した。まず、定量的RT-PCR法で、正常マウス由来の共移植組織間質からのRNAとFoxf2 KOマウスからのそれを比較した。前者が後者の20.9倍であることが判明した。そこで、Wnt5a発現ベクターをマウスNIH/3T3細胞に遺伝子導入し、Wnt5aを過剰発現している細胞株を3種類得た。 HT29細胞単独、HT29細胞プラス正常マウスIEF、そしてHT29細胞プラスWnt5a過剰細胞をヌードマウスに移植して10週後の腫瘍サイズを計測した、野生型IEFを混合移植した場合は単独移植の3.0倍であり、Wnt5a細胞混合移植の場合は単独移植の8.9倍であった。この結果は、IEF間質細胞の癌細胞増殖支持作用の1つはWnt5aを介して行われていることを示唆している。
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[Journal Article] Expression of human factors CD81, claudin-1, scavenger receptor, and occludin in mouse hepatocytes does not confer susceptibility to HCV entry2011
Author(s)
Hikosaka K, Noritake H, Kimura W, Sultana N, Skarkar MTK, Tagawa Y, Uezato T, Kobayashi Y, Wakita T, Miura N
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Journal Title
Biomed Res
Volume: 32
Pages: 143-150
Peer Reviewed
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