2011 Fiscal Year Annual Research Report
胆管癌に対するビサボロールおよびその誘導体による新規抗癌治療法の開発
Project/Area Number |
22791273
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
板津 慶太 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (90534842)
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Keywords | ビサボロール / 胆管癌 / PI3K-AKTシグナル |
Research Abstract |
胆管癌は化学療法や放射線療法には治療効果が認められず、手術で切除する以外には有効な治療法はない。手術療法だけによる胆管癌の治療には限界があり、本研究の目的は生理的活性を持つ小分子化合物であるビサボロールによる新規癌治療法を開発し、治療成績を向上させることである。 ビサボロールは膵癌細胞株KLM1,KP4,Panc1,MIA Paca2において細胞の増殖を抑制し、アポトーシスの誘導を亢進させたが、膵上皮由来細胞株ACBRI515においては明らかな効果を認めなかった。膵癌皮下発癌マウスモデル、腹膜播種マウスモデルにおいて週1回3週連続経口投与を行った。いずれのモデルにおいても投与群は非投与群と比較して有意な抗腫瘍効果を認めた。またビサボロールの作用機序としてPI3K-AKTシグナル、EGRIの関与をウェスタンブロティング、免疫染色にて明らかにし、その成果を報告した(Antitumor effectsuofua-bisabolol against pancreatic cancer. Seki T, Itatsu K, Nagino M et al. ; Cancer Sci. 2011 Dec ; 102(12) : 2199-205.)。 網羅的遺伝子解析により同定したビサボロール投与により発現亢進する遺伝子を恒常的に抑制した癌細胞株を樹立しており、それらの細胞を用いた増殖能、アポトーシス誘導能についても検討した。 ビサボロールは抗腫瘍効果を有しており、現在臨床試験の準備を行っており、研究を進めることによりビサボロールを用いた新規癌治療法の開発が可能となり、治療成績の向上が期待される。 以上の点より本研究は意義のある研究と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵癌細胞株および膵癌担癌動物モデルを用いた検討により、ビサボロールの有効性を明らかにした。またピサボロールの作用機序としてPI3K-AKTシグナルの関与も明らかにし、それらの成果を報告した(Antitumor effectsuofu a-bisabolol against pancreatic cancer. Seki T, Itatsu K, Nagino M et al ; Cancer Sci. 2011 Dec ; 102(12) : 2199-205.)。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ピサボロールの基礎的研究 網羅的遺伝子解析により同定したビサボロール投与により発現の亢進する遺伝子を恒常的に抑制した細胞株を用いてビサボロールの作用機序の解明をすすめる。 (2)ビサボロールの誘導体の開発 ビサボロールの誘導体を作成し、その機能について検討し、有用な誘導体の開発を目指す。 (3)胆管癌動物モデルを用いたビサボロールの有効性の検討 胆管癌発癌モデルにビサボロールを投与し、その抗腫瘍効果を明らかにする。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Antitumor effects of α-bisabolol against pancreatic cancer2011
Author(s)
Seki T, Kokuryo T, Yokoyama Y, Suzuki H, Itatsu K, Nakagawa A, Mizutani T, Miyake T, Uno M, Yamauchi K, Nagino M
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 102
Pages: 2199-205
Peer Reviewed