2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規RhoファミリーG蛋白質活性化因子DOCK4を介した大腸癌進展機構の解析
Project/Area Number |
22791276
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河田 健二 京都大学, 医学研究科, 助教 (90322651)
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Keywords | 癌 / 転移 / 浸潤 |
Research Abstract |
受容体型チロシンキナーゼ・シグナルにおけるDOCK4-Grb2複合体の役割を検討するため、ヒト大腸癌細胞株HCT116にDOCK4を強制発現させた細胞株とDOCK4の発現をshRNAで抑制した細胞株をレンチウイルスを使って樹立し、こららの細胞株を使ったmigration assay実験およびエンドサイトーシス実験からは、DOCK4-Grb2複合体がEGF受容体とcomplexを形成し、EGF刺激による細胞運動およびEGF受容体のエンドサイトーシスにおいて必須の役割を担っていることが明らかとなった。さらに足場非依存性増殖、マウスモデルでの増殖・転移能についても現在検討を進めている。 また大腸癌のおけるEGFRシグナルの下流にある遺伝子変異(KRAS変異)とDOCK4がどのように関わるのか、2つのヒト大腸癌細胞株(HCT116細胞株、DLD1細胞株)においてKRAS変異をwildalleleに相同的遺伝子組み換えによって樹立した細胞株をつかって検討した。KRAS変異株ではKRAS wild-type株に比べ、EGF刺激に対する細胞運動およびEGF受容体のエンドサイトーシスが抑制されていたが、DOCK4を強制発現させることでDOCK4-Grb2複合体の機能が亢進し、細胞運動やエンドサイトーシスといった癌悪性化過程が修飾されることを明らかにした。また大腸癌臨床検体を用いた検討では、深達度が増すにつれてDOCK4発現が亢進すること、さらにKRAS遺伝子変異とともに腫瘍の悪性化に関与していることが明らかとなった。
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[Journal Article] Molecular mechanisms of liver metastasis2011
Author(s)
Kawada K, Hasegawa S, Murakami T, Itatani Y, Hosogi H, Sonoshita M, Kitamura T, Fujishita T, Iwamoto M, Matsumoto T, Matsusue R, Hida K, Akiyama G, Okoshi K, Yamada M, Kawamura J, Taketo MM, Sakai Y
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Journal Title
Int J Clin Oncol
Volume: 16(5)
Pages: 464-72
DOI
Peer Reviewed
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