2011 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の抗癌剤耐性を制御するmicroRNAの同定と機能解析
Project/Area Number |
22791280
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
友國 晃 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40528577)
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Keywords | microRNA / 抗癌剤耐性 / 網羅的発現解析 / 肝癌 / 膵癌 |
Research Abstract |
肝癌細胞株PLC/PRF/5およびそのインターフェロン-α耐性クローンを用いてmiRNAの網羅的発現解析を行い,肝癌細胞におけるインターフェロン耐性を制御するmiRNA群を115個抽出した.それらのうち,特にmiR-146aに関してgain-of-function, loss-of-functionの実験を行い,miR-146aがapoptosisを抑制することで肝癌細胞のインターフェロン-α感受性を低下させていることを明らかにした.また,siRNAを用いたknockdown実験により,miR-146aの標的遺伝子としてSMAD4がンターフェロン-α感受性に関与することを示した.さらに,臨床応用への可能性を検討するために,インターフェロンベースの化学療法歴のある肝癌患者の原発巣組織におけるmiR-146aの発現解析を行い,統計学的有意差は認められなかったものの,同治療の効果不良例におけるmiR-146aの発現が高かったことが示された.現状では高度進行肝癌に対する有効な治療モダリティは乏しく,インターフェロンベースの化学療法が適応されるなかには,同治療が奏効しない症例もあり,それらの予後は極めて悪い.しかし,miR-146aを用いることにより,インターフェロン-α感受性を予測しうる可能性があるのみならず,治療薬(核酸創薬)として応用しうる可能性を示唆するものであると考えられた.
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