2010 Fiscal Year Annual Research Report
消化管術後におけるIL-22産生ナチュラルキラー細胞の機能解析と臨床的意義
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22791283
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
徳本 憲昭 広島大学, 病院, 医科診療医 (90564980)
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Keywords | 外科 / 創傷治癒 / 免疫学 / 栄養管理 |
Research Abstract |
近年EBMにより外科周術期管理は激変し、術後早期経口摂取が推奨されている。下部消化管術後では早期経口・経腸栄養開始が吻合部創傷治癒に好影響を与えることが判明したが、上部消化管術後に対しては吻合部に罹る負担が懸念され、その報告は少ない。今回我々は上部消化管術後ラットモデルを作成し、術後早期経口・経腸栄養開始が吻合部や腹壁創の創傷治癒に与える影響を検討した。また消化管粘膜に存在するIL-22産生NK細胞の創傷治癒に与える影響を検討している。 1.上部消化管切除・吻合ラットモデルの確立ならびに評価方法の確立 ラットを全身麻酔下に開腹し、トライツ靭帯から約2cmの部位で空腸切除・吻合を行う。その後CVカテーテル(16G)を用い胃瘻を造設し閉腹。頸部操作ではCVカテーテル(16G)を内頚静脈に留置。中心静脈カテーテル・胃瘻チューブを固定しネックカラーを用いて術後管理を行う。術後犠牲死させ吻合部bursting pressure、腹壁創skini wound breaking strengthを測定。術後3日目、5日目、7日目に犠牲死させ検討し、術後5日目が最も測定に適していることが分かった。現在投与栄養内容・経路の違いが創傷治癒に与える影響を検討中である。 2.創傷治癒におけるIL-22産生NK細胞の役割の解明 現在腸管粘膜を潰しフローサイトメトリーでIL-22産生NK細胞を検出している。今後は上記ラットモデルの吻合部ならびに正常腸管粘膜を使用し、吻合部創傷治癒に与える影響・役割を解明する。 3.腸管吻合部の創傷治癒を促進させる周術期栄養管理の検討 上記ラットモデルを使用し、アルギニン・グルタミンなどアミノ酸の添加が創傷治癒にどのような影響を与えるか検討中である。
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