2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌細胞特異的人工ウイルスの効率的細胞内導入法の開発
Project/Area Number |
22791289
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
真鍋 達也 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (60546464)
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Keywords | 膵癌 / 人工ウイルス |
Research Abstract |
本研究の目的は、新規Drug Delivery System (DDS)である人工ウイルスによる膵癌細胞内への治療物質導入法と新規の導入効率改善方法を開発することである。本年度我々は以下1.-2.について研究した。1.膵癌におけるendocytosis経路の解明:アデノウイルスの細胞表面への接着に関わるCoxackie virus and adenovirus receptor (CAR)、アデノウイルスのエンドソームへの移行とそこからの脱出に関わるintegrin αv, integrin β3, integrin β5, dynamin 2の膵癌における発現状況とアデノウイルス導入遺伝子の発現との関係を検討した。その結果、integrin β3がintegrin β5と比較し著しく高発現した膵癌ではアデノウイルス導入遺伝子の発現が低下していることが分かった。さらに、integrin β3をsiRNAを用いて抑制しその効果を評価した結果、siRNAによりintegrin β3の発現を抑制した膵癌細胞では、アデノウイルス導入遺伝子の発現が高くなっているという結果が得られた。これらの結果より、人工ウイルスにintegrin β3 siRNAを内包させることにより、人工ウイルスの導入効率が上がることが期待される。2.抗癌剤内包人工ウイルスの作成:独自に開発した古細菌Methanococcusjannaschiiが作るsmall heat shock proteinに由来するタンパク質ナノカプセルMj285(人工ウイルス)に、ゲムシタビン(GEM)及びintegrin β3のsiRNAを内包させ、さらに、アミド結合によるbioconjugationによりMUCl抗体を付加することに成功した。次年度は、この新規人工ウイルスの膵癌細胞への集積率、治療効果をin vitro、in vivoにおいて検証する予定である。
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