2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌細胞特異的人工ウイルスの効率的細胞内導入法の開発
Project/Area Number |
22791289
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
真鍋 達也 九州大学, 医学研究院, 助教 (60546464)
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Keywords | 膵癌 / 人工ウイルス |
Research Abstract |
本研究の目的は、新規Drug Delivery System (DDS)である人工ウイルスによる膵癌細胞内への治療物質導入法と新規の導入効率改善方法を開発することである。昨年度我々ほ、膵癌におけるendocytosis経路を解明する目的で、integrin β3がintegrin β5と比較し著しく高発現した膵癌ではアデノウイルス導入遺伝子の発現が低下していることが分かった。また、独自に開発した古細菌Methanococcusjanmaschiiが作るsmall heat shock proteinに由来するタンパク質ナノカプセルMj285(人工ウイルス)に、ゲムシタビン(GEM)及びintegrin β3のsiRNAを内包させ、さらに、アミド結合によるbioconjugationによりMUC1抗体を付加することに成功した。本年度は、この新規人工ウイルスの膵癌細胞への集積率、治療効果をin vitro、in vivoにおいて検証した。マウス癌細胞腸管移植モデルにおいて、人工ウイルスを腸管腔内に投与し、癌組織中及び非癌組織中への移行率を経時的に検討し、更にそのウイルス粒子の集積率、Gemcitabineの組織移行率、治療効果を経時的に評価した。マウスにおける膵管内投与は手技的に困難な為、代替として小腸を対象とする管腔として癌細胞移植モデルに用いた。各臓器・組織への集積に関する定量的評価については、本人工ウイルス粒子を金属キレートで標識した後マウスに投与後経時的に主要臓器を摘出し、そこに含まれる金属量をICP-MSにより定量した。更に多方面からの検討を行う為、手術切除標本よりソーターにより分取した癌病変を新規免疫不全マウス(NOGマウス)に移植し、humanized carcinogenesis mousemodelを作製し、前臨床試験としてこのモデルを用いて治療効果を検討した。
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