2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌に対する生体肝移植後の再発予防を目的とした革新的遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
22791290
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
萱島 寛人 九州大学, 医学研究院, 助教 (80546557)
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Keywords | IL-12 / 樹状細胞 / 免疫治療 / 肝細胞癌 / 肝移植 |
Research Abstract |
肝移植は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma : HCC)に対する効果的な治療として認められている。しかし、再発は致死的合併症の一つである。本研究の目的は、免疫抑制下でのHCCの効果的な治療を目的としたInterleukin (IL)-12遺伝子治療と樹状細胞(dendritic cells : DC)療法を用いたIntratumoral immunotherapy(腫瘍内免疫療法)の効果を明らかにすることである。2011年度には免疫抑制下でもIL-12/DC併用腫瘍内免疫療法が、移植皮膚片の拒絶を起こすことなく、腫瘤形成した皮下接種腫瘍の増大抑制及び完全な肺、肝への転移抑制を認め、良好な抗腫瘍効果を示すこと、これらの抗腫瘍効果にはT細胞とNatural killer (NK)細胞の両方が関与していたことを明らかとした。2012年度の研究目的は、IL-12/DC併用腫瘍内免疫療法と腫瘍切除を組み合わせたNeoadjuvant immunotherapy(術前補助免疫療法)の効果を明らかにすることであった。同治療を行った場合、腫瘍切除と同時にHCC細胞を静脈内投与した場合でも、長期にわたる無再発期間と生存期間の著明な延長を認めた。一方、IL-12単独治療、DC単独治療やコントロール群のマウスでは全例で肺、肝転移を認めた。これらの結果より、IL-12遺伝子治療及びDC療法を用いたIntratumoral neoadjuvant immunotherapy(腫瘍内術前補助免疫療法)はHCCに対する肝移植後のHCC再発の制御に効果的な治療法になり得る可能性があり、また、一般的な癌治療として応用可能であるという結論に至った。以上の結果をまとめ、HCCに関する治療、肝移植に関する知見を含めた幅広い発表を主に論文、学会等にて行らた。 (770字)
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Research Products
(7 results)