2010 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌における新規アダプター蛋白XB130によるc-Myc発現制御機構の解明
Project/Area Number |
22791295
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
塩崎 敦 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40568086)
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Keywords | 胃十二指腸外科学 |
Research Abstract |
胃癌細胞株(MKN7 ,MKN28, MKN45, MKN74, KATO-III, NUGC-4)における、XB130の発現をウェスタンブロット法で解析したところ、MKN45, KATO-IIIにおいてXB130の高発現を認めた。同様に、c-MYCの発現を解析すると、MKN74以外の細胞株において、c-MYCの発現が確認された。XB130を高発現するMKN45, KATO-IIIを用い、XB130 siRNAをトランスフェクション後、定量的RT-PCRにより解析すると、XB130の発現レベルが著明に抑制された。また両細胞株において、XB130のノックダウンにより、c-MYCの発現が有意に抑制されることが、定量的RT-PCRにより明らかになった。さらに、XB130のノックダウンにより、p21の発現が増強されることが明らかになり、細胞周期制御への関与が強く示唆された。また、胃癌手術標本のパラフィンブロックを用い、XB130免疫染色を行ったところ、多くのサンプルで、癌組織内でのXB130高発現が確認された。同様に、食道癌細胞株(TE2, TE5, TE9, TE13, KYSE170)を用い、ウェスタンブロット法、蛍光免疫染色により、XB130発現解析をおこなったところ、TE2, TE5, TE13においてXB130の高発現が確認された。これらTE2, TE5, TE13を用い、siRNAによりXB130をノックダウンしたところ、G0/G1停止がおこり、p21の発現が増強されることが明らかになった。また、食道癌手術標本の免疫染色により、約70%のサンプルで、癌部でのXB130の高発現が確認された。さらに、XB130の発現パターンと、臨床病理学的因子の関係を解析したところ、XB130の核内での高発現が、食道癌患者の独立した予後因子となることが明らかとなった。
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