2010 Fiscal Year Annual Research Report
胃粘膜下腫瘍切除検体を用いた初代細胞の樹立と薬剤耐性機序の解明
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22791302
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
迫 裕之 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10445364)
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Keywords | 胃粘膜下腫瘍 / GIST / イマチニブ |
Research Abstract |
GIST切除組織(29検体)を用いた培養細胞樹立の結果、GIST7.3(略、G7.3)及びGIST22.D6(略、G22.D6)の2株の樹立(6.9%)に成功した。細胞免疫組織染色法によるKIT発現の判定では、樹立した2株とも陽性であることが示された。また、29例の切除検体から3株のマウス皮下移植モデルの作製に成功した。同様に、組織免疫染色法によるKITの発現解析の結果、全て陽性であることが示された。次に、分子標的薬であるイマチニブ(Greevec,STI571)感受性試験では、2株とも感受性を示しIC_50はそれぞれG7.3で3.71μM、G22.D6では11.0μMを示した。同様に、2株のGIST皮下移植モデルマウスを用いたイマニチブ(Greevec,STI571)の感受性試験における28日間経口持続投与を施行した結果、コントロール群(H_2O)に対し、イマチニブ(Greevec,STI571)投与群において2株とも有意に抗腫瘍効果が得られ、イマチニブ(Greevec,STI571)に対し感受性を有することが示唆された。これらの結果より、樹立した細胞株及びXenograft株は、GISTの増殖能、薬剤耐性機能を研究するにあたり有用な生物材料であることが示唆された。更に、イマチニブ持続曝露により作製した細胞株(G7.3IM-R,G22.D6IM-R)におけるイマチニブ感受性試験では、IC_50は、それぞれ11.8μM(p<0.01)及び41.4μM(p<0.01)を示し、イマチニブに対する抵抗性が示唆された。ABCトランスポーターの発現において、イマチニブ抵抗性細胞株では、ABCC2及びABCC5の発現比が高い傾向にあることが示唆された。
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