2012 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍血管は消化管腫瘍の新たな診断基準となり得るか?
Project/Area Number |
22791304
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
北原 秀治 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40510235)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血管新生 / 腫瘍血管 / 多段階発癌 / 自然発症腫瘍 / 癌微小環境 / 消化器癌 |
Research Abstract |
腫瘍は、その増殖のために、酸素や栄養分の供給が不可欠であり、様々な血管増殖因子群による複雑な分子経路を利用して血管新生を行っている。新生された腫瘍血管は、正常組織の血管とは形態や機能が大きく異なっており、それらのメカニズムの解明が、臨床治療において非常に重要である。今回われわれは、小腸上皮の悪性化に伴い、血管やリンパ管の新生パターンがどの様に変化するのか、また、その変化を抑制することで、腫瘍の悪性化を抑制できるかを解析した。12~28週齢、雄のAPCMin/+マウスに、高脂肪食と硫酸デキストランナトリウムを摂食させ、腸に腺腫、腺癌を誘導し各種研究手法を使用し、変化を観察した。小腸上皮が腫瘍化していく段階で、絨毛部分の血管は、良性腫瘍(腺腫)においては、新生血管は著しい形態的変化を示し、密度の増加と、基底膜の不安定化が起こっていた。微細構造では、絨毛先端の血管の内腔表面に微絨毛様の突起が出現するなどの変化が認められた。腫瘍が悪性化するにつれて、新生血管は密度をさらに増し、形態的にも著しい異型性を伴った。また、血管新生因子であるVasohibin-2が、腫瘍細胞の悪性化に際して特異的に発現することを発見した。これらの結果より、上皮の悪性化と腫瘍血管には密接な関係があることが明らかになったため、微小循環系の悪性化を抑制した場合に、上皮がどのように変化するのかを次期研究の課題としている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)