2011 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌のミトコンドリアDNA変異と抗癌剤耐性との関連を分子生物学的に解明する
Project/Area Number |
22791305
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
水谷 聡 日本医科大学, 医学部, 助教 (80398867)
|
Keywords | ミトコンドリアDNA / 体細胞変異 / 消化器癌 / 抗癌剤耐性 / 転移・浸潤 |
Research Abstract |
消化器癌における癌細胞および正常細胞由来のミトコンドリアDNAとHELAへ細胞由来のρ0細胞を元としたCybrid細胞を)樹立し、Back groundを比較した後にIn vitro,In vivoの実験を行った。膵臓癌由来のcybrid細胞に関してはH21年までにその意義を発表しており、今年度以降は他の消化器癌においても同様な結果が得られるかの検討である。また、ミトコンドリアDNA変異癌細胞は転移・浸潤傾向が強いとの臨床報告から、その検証をIn vitroで行った。 1)ミトコンドリアDNAのシークエンスが解明している(mitmap,http://www.mito map.org/)消化器癌cell lineCAPAN1、BxPc3、Panc1、Hs766TをミトコンドリアDNAのdonor細胞とするCybrid細胞を作製した。更にCybrid細胞のBack GroundがWild mtDNA cybridと相違ないかを検討し、Doubling timeにおいてWild typeがやや速い事が判明した。更にin vittroにおいて抗癌剤ジェムザール(GEM)、シスプラチン、タキソールにおいて抗癌剤耐性に差を認めた。 2)カスパーゼ活性は上位のカスケードにおいて活性を認めた。Cytchrome C dependent apoptosisであった。(2)ROSについてもMutant mtDNAにおいて発生量は多かった。ComplexIを阻害することによりanti-apoptosisを認めたことでROSの産生能力とapoptosis耐性に密接な関連があることが分かった。 3)WildおよびMutant cybrid細胞において、メンブレン装置(Publish済み)を用いてその(1)Invasive assayと(2)Migration assayを行った。(1)(2)何れの検討でもMutantがWildを大きく上回っており、ミトコンドリアDNA変異癌細胞の転移・浸潤能がより高い事が細胞生物学的に証明された。更に、各種蛋白、細胞膜レセプターの発現に関しても検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
膵臓癌以外の消化器癌におけるミトコンドリアDNA体細胞変異と抗癌剤耐性に関する研究はおおむね順調に進展しており、更にDNA体細胞変異の有無による転移・浸潤能の変化まで研究が進んだため。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在は、In vitro・In vivoにしてもCell lineからの実験である。今後は臨床検体から直に実験を行い、より臨床応用可能な体制をとりたい。病院内、大学内の倫理委員会提出準備中である。
|
Research Products
(1 results)