2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌術前患者に対する細径気管支鏡下水溶性造影剤注入によるCTリンパ管造影法の開発
Project/Area Number |
22791312
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
滝沢 宏光 徳島大学, 病院, 講師 (90332816)
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Keywords | 肺癌 / センチネルリンパ節 / CT / リンパ管造影 / 気管支鏡 |
Research Abstract |
臨床病期I期非小細胞肺癌で同意が得られた症例をエントリーした.経気管支水溶性造影剤注入によるCTリンパ管造影(CTLG)の手技は以下の通り施行した.(1)CT画像からBF-Navi(オリンパス社)を用いて目的気管支までのナビゲーション画像を作成(2)IVR-CT室にてナビゲーション画像を参考にしながら細径気管支鏡で目的気管支に到達.(3)水溶性造影剤を目的気管支に注入しCTを撮影.初期4症例の検討から,造影剤の注入量は2-3mlとし,CT撮影のタイミンは造影剤注入後30秒後(及び5分後)に設定した.センチネルリンパ節(SN)の同定は,全ての肺門,縦隔リンパ節についてCTLG前後のCT画像,及び通常の造影CTを比較し行った.CTLG前後でCT値が30以上上昇したリンパ節をSNと定義した.SNは3D-CTを用いて周囲の血管,気管支との解剖学的位置関係を十分に把握し,手術の際には通常の縦隔リンパ節郭清を行うとともに,SNは別に保存し病理学的評価を行った. 平成22年度は15例(平均年齢66歳(44-76歳),男/女:4/11,cT1a/cT1b:6/4,右上葉/右中葉/右下葉/左上葉/左下葉:7/1/2/4/1,腺癌/扁平上皮癌:14/1)にCTLGを行った.16例全例で目的気管支への到達が可能であった.SNの同定は12例で可能であり,初期4症例を除く11症例では全例でSNが同定された.同定されたSNは1stationに留まるものが9例で2 stationに跨るものが2例であった.CTLGに起因する有害事象は認めなかった.術後リンパ節転移が判明した症例が2例あり,これらのリンパ節はいずれもSNに含まれていた. CTLGは臨床病期I期肺癌症例における術前のSN同定法として,安全に行うことができる有用な検査法であることが示唆されている.
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