2010 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞肺癌におけるSISH法を用いた遺伝子増幅解析とEGFR―TKI耐性の検討
Project/Area Number |
22791323
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
吉田 浩一 東京医科大学, 医学部, 助教 (00424490)
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Keywords | 肺癌 / EGFR / IGF1R / 耐性因子 / 化学療法 / 遺伝子増幅 |
Research Abstract |
非小細胞肺癌に対する治療効果予測因子として、EGFR遺伝子変異とFISH法によるEGFR遺伝子増幅は有意に相関性を認め、これらは非小細胞肺癌(特に腺癌)における治療戦略に必須なマーカーとして確立された。しかしEGFR-TKI(チロシンキナーゼ阻害剤)が劇的な腫瘍縮小効果を示す一方で、ある時点を境に治療抵抗性を獲得してしまうことも広く知られている。近年T790M遺伝子変異、MET遺伝子変異など2次耐性因子の発現が関与していることが明らかになり、耐性因子の一つとして最近注目されているのがIGF1R(インスリン様成長因子1受容体)である。近年FISH法より簡便にEGFR遺伝子の増幅を解析できるSISH法(Silver in situ hybridization)が米国で開発された。両者とも目的遺伝子DNAプローブをハイズリダイズさせて増幅を解析する手法には変わりないが、SISH法は銀を用いてハイブリダイズさせるため、時間とともに消退することがなく再現性に優れている。過去に当施設で肺癌と診断され外科切除もしくは化学療法が行われた後、再発もしくは転移によってEGFR-TKIによる化学療法を受けた72症例のホルマリン固定パラフィン包埋組織標本から、厚さ4μmの薄切切片標本を作製して、SISH(Silver in situ hybridization)法を用い、IGF1Rとchromosome 15遺伝子に対するDNAプローブを組織標本上でハイブリダイズさせた。さらに同症例においてEGFR遺伝子変異の検索もexon18,exon19,exon20,exon21におけるEGFR遺伝子変異解析を行った。対象症例をDisomy,Trisomy,Low Polysomy,High Polysomyの4つのカテゴリーに分類し臨床情報を用いて解析中である。
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