2010 Fiscal Year Annual Research Report
安全性の向上を実現する人工心臓用超小型モニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
22791329
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
大沼 健太郎 独立行政法人国立循環器病研究センター, 人工臓器部, 流動研究員 (50527992)
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Keywords | 人工心臓 / 血液ポンプ / モニタリング / 空気質量流量 / MEMS |
Research Abstract |
補助人工心臓による長期循環補助において、ポンプの駆動状態や血流量を把握することは重要であるが、現在国内で最も使用されている空気駆動式補助人工心臓システムは十分なモニタリング機能を有していない。そこで本研究では、既存の人工心臓システムに手を加えることなく空気駆動用エアホース(ドライブライン)に挿入するだけでポンプ血流量や駆動状態の検知、異常発生の予測を行う小型モニタリングシステムの開発を目的としている。 本年度は、東洋紡社製血液ポンプと駆動装置(VCT,Mobart,開発中の小型空気駆動装置)を、半導体式空気質量流量センサを組み込んだドライブラインを介して接続し、循環流体は水道水として模擬循環回路によるポンプ駆動実験を行った。駆動条件は、前負荷を一定とし、SD比(駆出期・充満期比)35,40,45%、拍動数60,70,80,90,100bpm、後負荷80,100 120mmHgとそれぞれ変化させ、完全充満・完全駆出駆動、不完全充満・不完全駆出した際の駆動圧、空気流量と送血側チューブに取り付けた超音波流量計によりポンプ拍出量を計測した。その結果、各条件における空気流量センサ挿入前後の拍出流量特性を比較し、拍出性能の低下は見られなかった(-0.10±0.15L/min)。また、各条件での駆出方向空気流量と瞬時拍出量はR^2=0.87-0.92で強い正の相関を示した。同様に、分時拍出量においてもR^2=0.82-0.98で正の相関を示した。しかし、各装置間において直線性の傾きに差異が認められたことから空気の圧縮性を考慮した流量変換の必要性が示唆された。さらに、生体に装着した際の条件を考慮し、コンプライアンスタンクを有する模擬循環回路を血液と同程度の粘度に調整したグリセリン水溶液を循環流体とするポンプ駆動試験における検討を開始した。
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Research Products
(3 results)