2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子修飾した血管内皮前駆細胞(EPC)によるワクチン療法の開発
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22791332
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 栄一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30510169)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 血管内皮前駆細胞 / ワクチン療法 / 脳腫瘍 |
Research Abstract |
「目的」一部の癌において血液に循環する血管内皮前駆細胞(EPC)が腫瘍組織に移動しうるのみならず、腫瘍血管新生に深く関与していることが示唆されている。EPCを血管新生活性化目的で使用した研究は数多いが、血管新生抑制療法として用いた報告はほとんど無い。そこで、脳腫瘍EPCを標的としたEPCワクチン療法の動物実験モデルを作成し、本療法の実験的有用性の証明と臨床応用を目指した治療法の開発を行っている。「方法」C57BL/6マウス脇腹部に1×10^7個のGL261グリオーマ細胞を移植し、腫瘍皮下モデルを作成。コントロール群にはPBSあるいはアジュバントのみを投与し、ワクチン群には、マウス血管内皮細胞(EC)単独もしくはEC+腫瘍ワクチンを行った。また、腫瘍組織内のEPCを多く含むグリオーマ組織内EC(GLEC)ワクチンについても実験を行った。「結果」ECワクチンは、コントロールに比し有意にEC特異的なIFNγ産生Tリンパ球を誘導した。ECもしくはGLECと腫瘍ワクチンとの併用群は、腫瘍ワクチン単独あるいはPBS群と比し、有意に組織内血管内皮数の減少および腫瘍増殖抑制を認めた。現在、GLECより、EPCに相当するCD34陽性細胞をsortし、そのmRNAやタンパクを通常のECと比較したり、ワクチン効果について詳細な評価を行っている。
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