2012 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子修飾した血管内皮前駆細胞(EPC)によるワクチン療法の開発
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22791332
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 栄一 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30510169)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血管内皮前駆細胞 / 神経膠腫 / 脳神経外科 / 癌幹細胞 / ワクチン |
Research Abstract |
近年、治療抵抗性を保持するグリオーマ幹細胞が、再発神経膠芽腫の治療ターゲットとして注目を集めている。今回はこの血管内皮(前駆)細胞を標的とした治療を行うべく、実験を行った。初期の実験として、マウス腫瘍組織から血管内皮前駆細胞を取り出し培養することを試みたが、培養には成功しなかったため、まずマウス血管内皮細胞のcell-line(F2)を用いて実験を行った。F2と組織内のEPCとの差異を確認したところ、比較的類似した性質を有していることが判明した。次に、F2ワクチンを行った群と行わなかった群で、皮下腫瘍の増殖や腫瘍組織内の血管内皮の数などについて検討した。次に、マウスグリオーマ幹細胞を使用することとした。グリオーマ幹細胞(TS-G細胞)とグリオーマ細胞(GL261細胞)には血管新生関連の分子に発現の差異があるという仮説を実証すべく、TS-G細胞とGL261細胞について、RT-PCRを用いた遺伝子発現解析を行った。結果として、GL261ではほとんど発現の見られなかった血管内皮関連分子の一つであるCXCR4が、TS-Gでは発現していた。また、TS-Gにおいて、血管内皮(前駆)細胞用の培地で培養することにより、CXCR4のリガンドであるSDF-1の発現が増強し、血管内皮(前駆)細胞様に変化することが分かった。グリオーマ幹細胞は、SDF-1の阻害によって増殖抑制されるという仮説を検証すべく、SDF-1/CXCR4阻害剤であるAMD3100やSiRNAを用いて実験を行った。TS-G細胞では濃度依存的に細胞増殖が抑制された。また、vivoにおいてもSDF-1の阻害は腫瘍増殖抑制効果をもたらした。以上より、血管内皮細胞関連分子であるSDF-1がグリオーマ幹細胞の増殖や分化に影響を与えることが示された。本研究期間終了後も本研究を継続・発展していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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