Research Abstract |
high-quality 3D CG (HQ-3DCG)技術を基盤とした最先端3次元工学を導入し,今までにない視覚的,直感的,感覚的な実体験型の脳神経外科手術シミュレーションシステムを完成させ臨床応用し,かつ蓄積したデータから若手脳外科医や医学生を対象とした教育用ライブラリーを構築することを目的に本研究に取り組んできた. 新潟大学医歯学総合病院脳神経外科にて経験した年間平均300例以上の脳神経外科手術症例の中で高難度の脳腫瘍,頭蓋底部腫瘍,機能性疾患などの手術症例(年間100例程度)を対象とし,術前に収集した先進的画像診断機器(3.0T-MRI,MEG,64ch-CT装置,3D-DSA装置)による臨床画像を対象に,3D画像解析ソフト(Zed-view, LEXI Inc.)・3D超感覚モデリングソフトおよび感触伝導ツール(Freeform, Sensable Inc.)・3Dカラー石膏プリンター(Z Printer, Z Corporation)を組み合わせ,画像解析により細部に至る脳局所解剖を再現したHQ-3DCG画像を用いた実体験型シミュレーションと,3D石膏モデルに対する手術顕微鏡や手術器具を用いた模擬手術を含めた,先進的かつ独創的な脳神経外科手術シミュレーション法を完成させることができた.このシステムをInteractive virtual simulation (IVS)法と名付け,実際の臨床の場でのルーチンな活用が可能な状態とした.今までの症例で200例近くを蓄積し,実際シミュレーションと手術を行った術者の総合評価も2年間に渡り収集して来たが,熟練した術者でさえ50%以上の症例で本IVS法があることで,以前の術前評価だけで手術した場合よりも安全で確実な手術の遂行に有利な状況となったと判断していたことが証明された.蓄積したデータは,脳腫瘍,頭蓋底部腫瘍,脊髄病変,機能性疾患といった疾患群ごとに整理し,解剖・手術教育用シミュレーションライブラリーとして作成を行い,現在活用中である.
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