2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児期星細胞腫の特徴および悪性化に関わる遺伝子異常に関する研究
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22791337
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
喜多 大輔 金沢大学, 附属病院, 助教 (10377385)
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Keywords | 毛様星細胞腫 / IDH-1変異 / sphingosine-1-phosphate receptor type 1 / 5-ALA / RNAi / 水頭症 / BRAF |
Research Abstract |
22年度は当施設にて過去に採取された22例の毛様星細胞腫に関して、病理学的再評価に取り組んだ。うち1例は診断が退形成星細胞腫であることが判明した。当該腫瘍については家族内の脳腫瘍発生、p53遺伝子変異があることが明らかとなり、Neuropatholgy and Applied Neurobiology誌に投稿中である(筆頭著者)。その他に、星細胞腫の悪性型である神経膠芽腫においてsphingosine-1-phosphate receptor type 1発現量が細胞分裂や予後と相関することをJournal of Neuro-oncology誌、およびInternational Journal of Cancer誌に発表した(共著)。また、神経膠芽腫における髄液播種と5-ALAによる脳室壁蛍光術中所見とが相関することを見出しJournal of Neurosurgery誌に発表した(共著)。神経膠芽腫におけるRNAiに関する知見をreviewし、RNA Technologies and Their Applications (Springer)に掲載した(共著)。小児脳腫瘍に合併した水頭症に対し、シャント手術の合併症に関する論文をNeurologica Medico-Chirugica誌に発表した(筆頭著者)。一連の業績は、悪性脳腫瘍における基礎と臨床を繋ぐ上で意義のあるものである。現在、毛様星細胞腫症例での遺伝子解析を進めており、IDH-1遺子変異および最近開発された変異IDH蛋白抗体による免疫組織学検索を行っている。来年度は更にBRAF遺伝子の解析を行い、毛様星細胞腫における病理組織と遺伝子変異による診断の相関、ならびに客観性の有無を検討する予定である。
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Research Products
(13 results)