2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791339
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
福島 菜奈恵 信州大学, 医学部, 准教授 (90334888)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経再生 / 嗅覚機能 / 脳内伝導路 |
Research Abstract |
本年度はまず、成熟ラットの外側嗅索の再生を促す2種類の実験を行った。成熟ラットの外側嗅索切断後、切断部で増加するグリア瘢痕由来の軸索伸長阻害因子であるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを除去するために、分解酵素であるコンドロイチナーゼABCを切断部に注入し、外側嗅索の再生を促した。実験の結果、外側嗅索が完全に切断されたラットにおいて、切断4週後には軸索の再生を示唆する線維の伸長が認められた。次に、新生児期に外側嗅索が切断され自然再生したラットの外側嗅索は髄鞘化しないことを利用し、自然再生後の外側嗅索を再切断することによって、別の軸索伸長阻害因子である髄鞘関連蛋白の影響のない状況下で成熟ラットの外側嗅索の再生を促した。実験の結果、新生児期と自然再生後における外側嗅索の切断が2回とも完全であったラットにおいて、再切断の6週後には軸索の再生を示唆する線維の伸長が認められた。これらの実験から、成熟ラットにおいても外側嗅索を再生させることが可能であることが確認されたため、次に、機能的にも再生させることが可能かどうか調べる実験を行った。成熟ラットの片側嗅球を除去した後、嗅覚機能検査(水とシクロヘキシミド溶液の識別)で学習させてから外側嗅索を切断した。嗅覚機能が残存するラットは除外し、無嗅覚となったラットの外側嗅索切断部に、コンドロイチナーゼABCを注入した。切断4週後から定期的に嗅覚機能検査を行い、嗅覚機能が回復するかどうか調べたが、外側嗅索の切断10週後においても嗅覚機能の回復は見られなかった。しかし、機能が回復しなかったラットの脳を調べた結果、外側嗅索切断部において切断部を超えて伸長した軸索の存在が確認されたことから、一部の軸索は再生したものの、機能の再生にまでは至らなかったと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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