2010 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍におけるメチル化遺伝子とヒストンのメチル化による癌化機構の解明
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22791350
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
中原 由紀子 佐賀大学, 医学部, 助教 (50380770)
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / メチル化 / ヒストン / 膠芽腫 |
Research Abstract |
代表的な膠芽腫細胞株としてU87およびT98Gの初代培養株を購入した。この2株は古くから膠芽腫の基礎研究に用いられてきた株で、遺伝子異常の報告が網羅的に解析されているものである。細胞株は継代を重ねるにつれ、ゲノム変化とともにエピジェネティックな変化もきたすことが知られているため、本研究においては初代培養株を使用することが適していると考えた。これらを培養し、EHMT1の発現解析を行った。ウエスタンブロッティング、RT-PCRの手法を用いて蛋白レベルおよび転写レベルでの発現を検討した。細胞株からゲノムDNAを抽出しgenomic qPCRを行った。そのほかの保有していた膠芽腫細胞株についても行い、EHMT1の発現が低下している細胞株を検索している。また、National Center for Biotechnology Information (NCBI)のデータベースから、膠芽腫細胞株におけるEHMT1遺伝子異常やメチル化などについての情報を収集した。 臨床摘出標本については、同様のEHMT1発現解析をRT-PCRを用いて試みた。脳腫瘍という腫瘍の性質上、十分量の組織量が得られないことも多かった。これまで当院で摘出した標本に関しては、パラフィン切片で保存しているものが多いため、発現解析にはEHMT1抗体を用いた免疫染色が有用と考え、現在、染色の条件を決定するべく検討を進めている。特に臨床摘出標本でEHMT1の発現が低下していることが、本研究の基盤となるため、希少な臨床摘出標本で効率よく発現解析を行うために、免疫染色を行うことが重要と考えている。
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